ボディについた小キズを直す
ボディについた小キズを直す
クルマを走らせれば、必ず小さな傷がついてしまうもの。
クルマは乗らずに飾っておくものではないので、傷がつくのをある程度覚悟しなければなりません。
その中で一番多いのが知らずについた線キズでしょう。
ボディに付いてしまう線キズは、服についている金具やバッグの金具などが当たり、簡単に傷が入ってしまうので、駐車場に停めてあるときに知らない人が自分のクルマをすり抜けたときに当たってつけられることもあります。
このような線キズであれば自分で直すことも難しいものではありません。
線キズの深さによっては、コンパウンドという研磨剤だけでキズをきれいに取り去ることができます。
そこでコンパウンドで消せるキズの深さを知るには、指の爪でキズを触ってみて引っ掛かりがあるかどうかで見極めます。
もし、キズに引っかからなければコンパウンドだけでキズを消すことができます。
コンパウンドと一言に行ってもその種類はかなり多く販売されていますから、ボディカラーに合わせて種類を決めるようにします。
淡色カラーは、細かいキズが目立たないので、コンパウンドも極細目までの仕上げで十分ですが、濃色カラーはコンパウンドの磨きキズが目立ってしまい、粗いコンパウンドで磨いたままでは白っぽくなってしまいます。
そこで、コンパウンドの粗さを順に細かくして最後は超微粒子コンパウンドで仕上げるようにするといいです。
ここで注意する点としては、最初から粒度の細かいコンパウンドでは時間がかかり体力的にもつらくなります。
必ず粗いコンパウンドから順に使うことと、粗いコンパウンドで強くこすりすぎないことです。
粗いコンパウンドは、簡単に塗装に深く入り込んで塗膜を削り取りますから、強く磨く時間が長ければ塗膜が削られすぎて下地が露出してしまいます。
そこで、粗めは少量とり軽く磨いてキズを完全に取りきるまで磨くといったように深追いしないことです。中目あたりから始め、キズが薄くなったら細めに変えてからキズを完全に消すようにすると初めてでもきれいにできます。
基本的にどのボディカラーでもコンパウンドは粗い目から使用し、だんだん目を細かくして、キズ消しからコンパウンドの目消しに変えていきます。
そこで、コンパウンドのおすすめは、スターターキットとして量販店で売られているセット品が良いでしょう。セット品であれば、粗めから細目までそろっているので、効率よくキズ消しを行うことができます。
ボディについたコンパウンドで消せないキズ
車についてしまった線キズの中で、コンパウンドで消せないキズが圧倒的に多いです。
その場合、神経質な方でどうしても元のように戻したい人であれば、ちょっとした小キズも鈑金修理工場に出して修理することでしょうが、ほとんどの方がそのまま諦めているのではないでしょうか。
小キズの中で、へこみのない線キズであれば、ちょっとした工夫で一般の方でもキズを目立たなくすることが可能です。
もっと言えば、丁寧に作業をするとキズがあったと全く感じさせないほど修復させることも可能です。
その方法は、タッチアップペイントを使用します。
タッチアップペイントは、カー用品店やホームセンターでも手に入りますが、特殊な塗装色で売られていない塗料は、ホルツMINI MIXを利用すれば調色してもらえますし、ディーラーで注文することも可能です。
キズを直す基本的考え方は、キズに塗料を盛って乾かし、旧塗膜面より少し高くさせて硬化させたのち、削って旧塗膜と同じ高さに調整して磨いて艶を出して同化させてキズを目立たなくさせます。
ここでキモとなるのが、塗料を盛っていく段階です。
慌てずにゆっくりと時間をかけながら盛っていきます。
筆は元からキャップについている筆を使うのではなく、爪楊枝を使ってキズに塗料を載せていくと余分な塗料が周りに付かずにきれいに塗れます。
1回塗って乾かしを繰り返し、周りより少し高くなるように塗料を塗っていきます。
塗料は硬化すると縮んで低くなりますから、根気よく行いましょう。
塗料を盛り終えて硬化したら水研ぎを行います。
この時、水研ぎペーパー2000番を用意し、キズを研ぐために固めの消しゴムに水研ぎペーパーを巻き付けて、ゆっくり研ぎます。
平に研ぐように集中して行い、あまり広く研がないようにします。
水をつけながら研ぎ、指で周りとの高さを確認しながら平らになるまで研いでいきます。
平らに研げたら、中目のコンパウンドで2000番のペーパー目を消していきます。
ペーパー目が消えると白っぽさがなくなりますから、あとはパート1で説明したコンパウンドのかけ方に従い、艶出しまで行います。
この方法を丁寧に行えば、キズがあったことが全く分からないレベルにまで修復が可能です。
ポイントは、慌てずにゆっくり慎重に作業することです。そして1日で終わらせることは無理なので、数日かけて行う長い気持ちで行うことです。